気持ちを整えれずにタイミングを逃して乗れなかった波を暗くなってもなお見続けていた。
漆黒の闇に大波の崩れる音が響く
全てを飲み込むような大きく巨大な闇
時より雨が降って濡れた頭が正気を取り戻すとこの世にいる現実に帰ってくる
なまった心と身体のままでは夕飯を食べれず正月に走る事になった駅伝の区間を下見しながら練習がてら走ってみることにした。
今日届いたばかりのランニングシューズの紐をバス停のベンチで締めてからスタート地点まで歩いてゆきiPhoneのストップウォッチを押して新しい靴の履き心地と路面を確かめながら頭にヘッドライトを付けて国道から紬村へと走り始めた。
距離は短いが丘の上から海に降りてまた丘の上に登るコースはアップダウンがきつく体力の消耗が激しい…これはペース配分や下りと上りの足取り要練習。
序盤に息が上がりかけるも本能的な走り方や呼吸方を意識しながら走ってみると何とか目的地まで走れたものの走ったと言っても軽いジョギング程度のスピードで重い身体を絞らねば足取りがおぼつかないし一周しただけで汗だくになった。
けれど久しぶりに走ってみると何より気持ち良くてランナーズハイが心地よい。陸の上でもとても新鮮な気分だ。
さっきまで心の中で引っかかっていたわだかまりも身体を動かしたら全身の細胞が活性化して前向きな気持ちが蘇ってくるから不思議だ。
家へと還る道で空が明るいのに気が付き見上げると曇り雲から覗く満月からの光に照らされていた。
駅伝の本場まで後4日
集中して心と体を調整せねば全力で走りきれない
明日も走ることにしよう