正面横にはバナナがある。実がついてきて、大きくなるのを、毎日心待ちにしながら眺める。
高い位置にあるのでそこそこ大きく見えるものの、穫るタイミングを間違うと小さく熟れるのに時間がかかってしまう。
裏はアボガドの樹があり、時がくると天井のタープに当たり音がするので実が落ちたことを知らせる。
朝になるともの凄い沢山の鳥達の話声に包まれて目を覚ます。外に出て周りを歩き、まだ蟻や鳥が食べていないのを頂いて朝食にする。
天の恵みに感謝して出会った人へ良い物から分けていく。
夜はイノシシが食べ物を探しにやってきて、枝や落ち葉を踏む大きな足音が森に響き、その身体の大きさを教えてくれる。
テントの下にはプライウッドの床がある。移動の際に重ねていた板をづらしてみたら、センタピー(ムカデ)がゲッコーorカメレオンを食べていた。どちらか分からないのは全ての皮膚が剥がされていたので形はイモリのようだが全身スキンオフなのは初めて見た。
ムカデの毒で動けなくなっていた皮膚無しの爬虫類はしばらくすると我に還って動きだし陰のある隙間へと姿を消した。